史上最強の将棋指しは誰?候補となる5人の棋士を紹介!
おはようございます。「日本史上で最強の棋士は誰なんだろう?」というのは、将棋ファンならば誰もが考える事ですよね。
そこで今回は江戸時代から現代まで、幅広く「この人は強いだろう!」という5人の棋士を厳選して紹介します!
「どうせ羽生さんが最強だろう」とお思いの方もいるかも知れません。確かに羽生さんは有力な最強候補ですが、羽生さんに負けず劣らずの伝説を持った棋士の方々を紹介できたのではないかと思います。
1.羽生善治
画像引用元:ファイル:Habu at ISF 2011 03.JPG - Wikipedia
言わずと知れた現代の最強棋士、羽生さんです。
将棋には7大タイトルと呼ばれるタイトル戦があるのですが、その7大タイトルを一人で全て独占した伝説を持ちます。
そして将棋は一つのタイトルを一定期間持ち続けると「永世称号」という称号が貰えるのですが、羽生さんは全てのタイトルで永世称号を持ち、「永世七冠」を達成するという偉業を成し遂げました。
2019年3月現在、トータルで保有してきたタイトルは99期。もうこんな事は無いんじゃないかってぐらい、本当に凄い棋士です。
2.大山康晴
画像引用元:File:New Shogi Champion Yasuharu Oyama 1952 Scan10007.JPG - Wikimedia Commons
羽生さんと並んで最強の呼び声も高い、「昭和の大名人」こと大山康晴先生です。
合計タイトル獲得数は80期。すでに羽生さんに抜かれてますが、大山先生が全盛期だった頃はタイトルの数が5つだったので、単純比較はできません。事実、タイトルの独占率では大山先生に軍配が上がるそうです。
大山先生は非常に守りが厚く、堅実な気風で、自分はミスをせず相手のミスを誘うことで勝つような気風だったと言います。また、盤外戦術も有名で、他の棋士に「大山には勝てない」と思わせるような指し方をしていたそうです。
3.升田幸三
画像引用元:升田幸三|棋士データベース|日本将棋連盟
大山康晴先生をもっとも苦しめた棋士。羽生さんも「指してみたい棋士は?」と質問を受けた時に「升田先生」と答えたそうです。
升田先生といえば二つの有名なエピソードがあります。一つは「名人に香車を引く」です。13歳の時に棋士を目指して家出した升田先生ですが、実家にあった物差しの裏に「この幸三、名人に香車を引く」と書き残します。
「香車を引く」とは、将棋で香車という駒を落として指すハンデです。つまり名人相手にハンデを背負って戦ってやる、という意味です。
そしてこの夢物語みたいな話が現実になります。当時、王将戦は七番勝負だったわけですが、この七番勝負で星に3つ差が付くと香車を引いたハンデ戦になるルールでした。
そして升田先生はあの大山先生に3連勝で黒星を3つ付け、しかも4戦目に香車を引いて実際に勝利します。これはものすごい偉業です。
そして升田先生の伝説といえばもう一つ、GHQでの論戦です。戦後、将棋を廃止しようとしたGHQに呼び出されたわけですが、そこで升田先生はGHQ側を言い負かして将棋を守ります。
この2つの伝説がすごく有名ですね。合計獲得タイトル数は7期と、羽生・大山の両氏と比べれば大きく見劣りしますが、病弱で体調不良が多かった事、戦争で徴兵されていた期間もある事を考えると、やはり獲得タイトル数以上の実力と魅力ある棋士だったのではないかと思います。
4.木村義雄
画像引用元:File:Yoshio Kimura Shogi 1951 Scan10012-2.JPG - Wikimedia Commons
将棋の名人位はかつては世襲制だったのですが、実力制になって初めての名人がこの木村義雄です。その後、実力制になって初めての永世名人の称号も手にします。
あまりの強さで当時の著名な棋士を軒並み倒してしまい、その様子は「常勝将軍」とも呼ばれました。
そして大山先生や升田先生が台頭してくるまで将棋界の最強であり続けたので、間違いなく一時代を築いた人物と言って良いでしょう。
また、将棋連盟の会長も務め、現代の将棋界の基礎を築いた人物の一人と言っても過言ではありません。
5.天野宗歩
江戸時代末期の将棋指し。当時の名人位は世襲制だったので名人にはなれず、段位も七段止まりでしたが、あまりの強さに「実力十三段」と呼ばれました。
また「棋聖」とも呼ばれ、現在の将棋のタイトル「棋聖戦」はこの天野宗歩に由来するものとなっています。
残っている棋譜の多くは駒落ちとなっていて、当時の宗歩の実力がいかに抜きん出ていたかがわかります。
今でも「上手くなりたければ宗歩の棋譜のみを並べろ」と信奉する人がいたり、羽生さんを始め現代のプロ棋士も宗歩を高く評価していたりと、伝説的な棋士とされています。
・まとめ
以上、5人の棋士を紹介してみました。
こうして見てもやっぱり羽生さんは抜きん出ていますが、単に獲得タイトル数では表せないような、魅力ある棋士が沢山いる事が伝えられれば幸いです。
なにかこの機会に、将棋の歴史に少しでも興味を持っていただける人が増えればなぁ、と思っております。最後までご覧いただきありがとうございました!