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分析哲学の本、おすすめ13冊。入門書や解説書など。

9c3ae1e592e1d63118c7846171e7977b_s 今回は現代哲学の「主流」と言っても良い、分析哲学の紹介です。 恐らく大学で哲学科を選んだ人は、分析哲学の講義がかなりのウエイトを占めてくるんじゃないかと思います。 今回は、そういう分析哲学の初心者さんにオススメの入門書や、それなりに基礎を固めた方向けの本格的な本までを紹介したいと思います。

 

言語哲学大全Ⅰ~Ⅳ

当時、アメリカではすでに主流になっていた分析哲学を、日本にも大きく広めたのが飯田隆氏の「言語哲学大全」です。全四巻まであります。 「これは絶対に外せない!」という著名な分析哲学者を一人ひとり詳しく解説しつつも、「なぜこういう議論が出てきたのか」という分析哲学全体の流れがよくわかるようになっています。 分析哲学とはどんな学問で、どのような事を問題にしているのか。イメージ像を掴むにはピッタリの本だと思います。 ただし、全4巻とかなり長いのがネックかも知れません。

 

分析哲学入門

言語哲学大全の全4巻は長すぎる!」という方におすすめなのが、八木沢敬氏の「分析哲学入門」になります。 この入門書の特徴は二つで、まずは実践的だという事です。具体的に命題を挙げながら、それを分析哲学的に解説していく作りになっています。 そして次に「わかりやすい」という点が挙げられます。これは著者もかなりこだわって書いてるのが伺えますね。 まず大学の講義などを受ける前の掴みの一冊として非常におすすめです。

 

分析哲学講義

初めての入門書としてコチラの青山拓央氏の「分析哲学講義」もおすすめです。まさに「言語哲学大全」をかなり圧縮したような作りになっていて、分析哲学の全体像を追いながら、個々の著名な哲学者につていも触れている一冊。 後はとにかく分析哲学の素晴らしさが伝わってきて、好奇心が煽られる一冊だと思います。

 

言語哲学―入門から中級まで

これも少し難解ですが、非常に良い入門書です。ライカンというアメリカの哲学者が書いた本。 指示の理論や確定記述など、かなり本格的な分析哲学のテーマや論理にガッツリ踏み込んでいます。しかも「他の本で読むとサッパリ」というような難解な内容も、相対的に分かりやすく書いてますね。 ただ、それでもやはりテーマがテーマだけに、タイトルにもあるように中級者向けです。他の入門書などをザッと読んだ上でこちらも読んでみると良いかも知れません。

 

ウィトゲンシュタイン論理哲学論考』を読む

分析哲学の本でもっとも有名なのはウィトゲンシュタインの『論理哲学論考』、通称「論考」と呼ばれる著作でしょう。 ただ、それだけ読んでもサッパリわからないと思います。そこでこの野矢さんの解説書を読んで見るのがおすすめです。 とりあえず論考の内容を知っておけば、他の分析哲学クラスタの人ともそれなりに会話が成り立つと思います。

 

クワイン

クワインという、比較的最新の分析哲学者の解説書。 正直、めちゃくちゃ面白いと思います。個人的に分析哲学にハマったキッカケの本でもあります。ホーリズムを中心に、難解なクワインの哲学がわかりやすく解説されています。 また、クワインウィトゲンシュタインやカルナップの影響を強く受けている(もちろん反発する部分もある)ので、ある意味で哲学の歴史をなぞって最新の地点までたどり着けるような、そういう一冊でもありますね。

 

クリプキ

こちらもかなり最新の哲学者、クリプキの解説書です。 分析哲学全般に言える事ですが、特にクリプキは「言葉」というものに対する疑問をすごく深く持たせてくれる哲学者ですね。 人間は考えるときにも言葉を使いますが、言葉というものがいかに不正確なものか。ある意味ですごくスリリングな一冊ですが、とても面白いです。

 

・私はどうして私なのか

「私とはなにか」という、大陸哲学ならば簡単に答えを出してしまいそうな問題を分析哲学的に掘り下げた本。 他の分析哲学の本と違うのは、一つの命題を徹底的に掘り下げることで、すごく「奥深さ」が出るんですよね。「私」という言葉一つに、ここまで深い意味があったのか、と。 ある意味で分析哲学の深淵を学べる本だと思います。

 

・現代哲学基本論文集Ⅰ~Ⅱ

最後に論集の紹介です。現代哲学基本論文集、とありますが分析哲学者の論文が主流ですね。哲学科に進むならばぜひとも手に入れたいところ。 やはり他の分析哲学の本を読み勧めながら、並行して原文に当たってみるのがおすすめです。全ての学問に言えることだとは思いますが。

 

・まとめ

以上、おすすめの分析哲学の本を紹介して来ました。 とにかく分析哲学は哲学の中でも「面白い」ということ、そして他の哲学はああでもないこうでもないという「観念論の遊び」と揶揄されますが、分析哲学はそういう所がかなり少なく、非常に厳密であるというのが特徴です。 その魅力を味わっていただくためにも、ぜひ2,3冊読んでみてほしいなと思います。