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【2019年】本の虫がおすすめ、隠れた名著・名作10冊。

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おはようございます。今回は「隠れた名著、名作」というテーマで本を紹介して行きたいと思います。

やっぱり読書をしていると「この本、あんまり注目されてないけど、凄いな」と思う事って多々ありますよね。私も読書をしていてそういう本が何冊が出てきたので、今回まとめさせていただいた次第です。

もしかすると「これ隠れてないよ、有名だよ」と思う本もあるかも知れませんが、そこは「もっと注目されてほしいな」という私の願いだったりするので、ご愛嬌いただければなと思います。

 

目次

 

1.「意識」とは何だろうか

それなりに科学や哲学の本を読んで「人間とは結局なんなんだろう」となっている人に読んでほしい一冊。

人間とは遺伝子や環境によって作られている存在ですが、では「個人」は存在しないのか。自分とな何なのか。

とういう問いに本著では「来歴」という概念を出して答えているわけです。

個人的に神経科学(脳科学)をやっていてすごく混乱していた部分がこの本でまとめられていて、とても強くおすすめしたいなと思います。

 

2.時間はどこで生まれるのか

相対性理論量子論的に「時間とはなにか」を説いた本です。

何よりこの本がおすすめなのは「わかりやすい」という点です。それも「これ、恐ろしく難しい事を素人にもわかるように解説しているな」というのが伝わってきて、有り体な表現ですがすごく痺れるんですよね。後半は物理学以外の角度からも時間を論じていて、幅広い教養が伺えます。

著者の橋元さんについて調べてみると、物理教育者という肩書が出てきて、なるほど教育者だからこんなにわかりやすいのかと思いました。

特に時間論などに興味がある方にはすごくおすすめですね。

 

3.私とは何か

なんとなく「生きづらさ」を抱えている人にすごく読んでほしい一冊。

現代はなかなか変化が激しい時代で、「自分とは何なんだろう」みたいな疑問を持っている方が、実は結構いるのではないかなと思います。

そこで本書はこれまでの「首尾一貫した人間像」みたいなものを否定して、「分人」という新しい概念を持ち出すわけです。これがすごく現代の社会環境にマッチしていて、すごくスッキリした人間像を提示してくれるんですね。

 

4.知性の限界

「知性の限界」の他にも「理性の限界」「感性の限界」などありますが、とにかく高橋さんの「限界シリーズ」は面白いです。

対話というか会議形式でいろんな思想を持ったキャラクターが出て来て、それがああでもない、こうでもないと議論します。

やっぱり読書をしていろんな目線を得ると、当然それらがぶつかるようになってくる。近い分野ならば「この思想とこの思想はこういう関係にある」などとわかりますが、全く違う分野同士の信念が、個人の中でぶつかり合うとどうなるか。

という、完全に個々人が頭の中だけでやりがちなブラックボックスな部分を、こういう風にやる人がいるんだなぁ、という一つの可視化された例としてすごく面白いです。

 

5.日本奥地紀行

明治初期の日本を、イザベラ・バードという女性が旅した時の紀行文です。

もうこれだけで読書好きの方ならば「面白そう!」と思っていただける方が多いのではないかなと。

当時の日本の庶民の、生々しい姿がそのまま描かれていて、すごく面白いです。

やはり歴史といえば戦争、内乱などの「政治史」を思い浮かべる方は多いと思います。しかしそういう国の中央の動きではなく、地方の庶民という、ある意味でオーソドックスなその時代の空気を感じ取るというのは、何とも言えない経験を与えてくれます。

 

6.知の構築とその呪縛

物理学者から哲学者に転向した著者が書く哲学書

主観と客観、物質と心という二元論を取り払い、それとは異なる見方を提示する、というのが本書のテーマです。

哲学だけでなく物理学、神経科学などに興味がある方もぜひ読んでいただきたいです。

大森荘蔵氏は本物の哲学者だと思います。日本の哲学史に名を残す人物で、ここまで面白い本を書いてる方は珍しいので、もっと注目して欲しくてピックアップしました。

 

7.ぼくらは夜にしか会わなかった

ここからは小説の紹介です。

この「ぼくらは夜にしか会わなかった」は市川氏の短編集で、とにかくめちゃくちゃ綺麗な文章です。

刺さる人にはすごく刺さる小説だと思います。ひたすら儚くて清楚で、そんな世界観を奏でています。

あまり刺激的な面白さとか、しっかりしたストーリーとか、小説特有のドロドロした表現を求めてる方には物足りないかも知れませんが、とにかく心が洗われる感じが欲しい時におすすめです。

 

8.スティル・ライフ

こちらも本当に美しい小説です。冒頭の僅か数ページでグッと引き込まれます。

ストーリーもしっかり練り込んであって面白いです。

こういう「理系の方が書いた文学」ってなんか好きなんですよね。普通の文学にはない、独特な奥深さのようなものを感じ取れます。

 

9.世界を騙した男

実話を元にした、めちゃくちゃ刺激的で面白い物語。

主人公の青年はパイロット、弁護士、医者など、経歴詐称で様々な仕事になりすまします。その一つ一つが凄く手が込んでて関心させられます。

しかしそういう設定すらもオマケに感じるほど、主人公の葛藤、細かいエピソードなど、人間ドラマとしての面白さがあります。すごく面白いです。

 

10.命売ります

三島由紀夫といえば「金閣寺」「潮騒」などが有名かも知れませんが、この一冊もぜひ読んでいただきたいです。

私の個人的な思い出ですが、学生時代にある方に「人はなぜ生きるのか?」という問いをぶつけた事がありました。

そこで「この本を読んでみろ!」と進められたのが、この三島由紀夫の「命売ります」でした。

結局、読んだ時は普通に「面白い話だなぁ」といつ程度で終わったのですが、この小説の本当の意味がわかるようになったのは、自分も死にかけた時でした。やっぱり人は生きたいよな、と思える。そんな小説です。

 

・まとめ

以上、「隠れた名著」というテーマで本を紹介させていただきました。

やはりこれでも紹介したい本はごく一部なので、近いうちに第2弾、第3弾などを書きたいなーと思います。

やっぱり「隠れているかどうか」微妙なラインの本もあったと思いますが、とにかくこの記事の筆者が「もっと多くの人に読んでほしいな」と思っている、そんな本達を集めさせていただきました。

何か気に入った本があれば一冊でも読んでみていただけると嬉しいです!最後までお読みいただきありがとうございました!