最高に面白い知のパラダイム!複雑系・カオス理論のおすすめ本6冊!
おはようございます!今回は複雑系やカオス理論のおすすめ本を紹介したいと思います!
複雑系とは自然科学のみならず社会科学などでも使われているパラダイム、簡単に言えば物の見方とか知識の形のようなものです。
この複雑系がこれから多くの分野で重要な見方になっていきますし、何よりめちゃくちゃ面白いです!
今回はこの「複雑系とはなにか」という簡単な説明と、おすすめの本をいくつかピックアップさせていただきました。
目次
・複雑系とはなにか?
複雑系の本などを読んでいただければわかりますが、人によってかなりいろいろな説明の仕方がありますし、学問分野によっても違いがあります。一言で「複雑系」と言っても「これだ!」という事は難しい。
しかしやはりWikipediaの説明がかなりオーソドックスな理解だなと思ったので載せたいと思います。
複雑系(ふくざつけい、英: complex system)とは、相互に関連する複数の要因が合わさって全体としてなんらかの性質(あるいはそういった性質から導かれる振る舞い)を見せる系であって、しかしその全体としての挙動は個々の要因や部分からは明らかでないようなものをいう[1]。
要するに全体として何らかの性質を持っている、しかし個々の部分を見てもその理由はわからない、という形のようなものなんですね。
例えばわかりやすいのが魚群です。よく小さな魚が集まって泳いでますが、これは全体として形を作っている。一方で個々の魚を見ても、なかなか魚群という全体の形を理解するのは難しいですよね。
これまでの学問は「要素還元主義」という考え方が強く、どんな現象もそれぞれ部分部分ごとに分解して分析すれば良いんだ、と考えられていました。
しかし魚群のように、一部だけを見てもわからない。全体と部分のダイナミクスは分離不可能である、というのが複雑系の発想です。
という事を考えると、これまでの人類も「複雑系」的な考察を部分部分でして来たと言えますが、改めて「個別の問題として考えられている事を全体で考えてみようよ」という発想が「複雑系」なんですね。
すごく浅い説明ですが、やはり学問によって「複雑系」の掘り下げ方も色々なので、とりあえず雰囲気だけでも感じ取っていただければなと思います。
・複雑系のおすすめ本6冊!
1.「複雑系」とは何か
複雑系の入門書は数多くありますが、まず最初に読んでほしいのがこれです。
わかりやすい入門書なのですが、それでいて深い。著者の専門は科学論や科学哲学という事で、非常に哲学史的な複雑系の本質を突いているなと。
やはり社会科学や自然科学などいろんな複雑系の本が存在しますが、「本質は何なのか」という部分は踏まえておく必要があるので、これはぜひ読んでいただきたいですね。
2.ガイドツアー 複雑系の世界
こちらも複雑系の入門書。サンタフェ研究所という複雑系研究のメッカがあるのですが、そちらでの講義をベースに書かれた一冊です。
非常に複雑系に対する興味が掻き立てられる一冊。テーマの選び方もよくて、例えば「神経」も、一つ一つのニューロンなどがどうやって「意識」を生み出しているのか、という複雑系の問題の一つですよね。
とても読んでてワクワクする本です。是非とも読んでいただきたい。
3.増補 複雑系経済学入門
経済を複雑系として捉える「複雑系経済学」の入門書。入門書と書かれていますが、こちらも掘り下げが深くて本格的です。
複雑系で経済を語った本は沢山あるのですが、こちらは複雑系という視点を取り入れる事で経済がどう違って見えるのか、というのがわかりやすい。
既存の経済学の「消費者も生産者も神のごとく世の中のすべてを把握し、最も有利な選択をするという仮定」「生産規模を大きくすればするほど生産効率が下がるという原価計算上ありえない仮定」を著者は否定していて、その上で新しい経済学をどう打ち立てるのか、というのが面白い一冊です。
4.複雑系の知: 21世紀に求められる7つの知
複雑系について理屈的なイメージがわかって来たところで、果たして具体的にどんな感じのフレームワークを使えばいいのか、という段階に来た方におすすめしたい一冊。
めちゃくちゃ具体的に複雑系の「使い方」を7つに分けて書いています。
複雑系といえばなんか難しいイメージがある方も、「なるほど、こういう風な事をやっているのか」という具体的な部分がわかると思います。
5.歴史は「べき乗則」で動く
「べき乗則」も複雑系の代表例ですね。「べき乗則」についてはどんなグラフかググっていただければわかりやすいですが、ともかく統計モデルの一つです。
株式市場の暴落や地震の予知など、我々にも密接に関わる問題が、「べき乗則」という統計モデルに則って動いている、という主張の本です。
我々、一人ひとりが主体的に判断している事でも、何か一つの大きな法則の一部に過ぎないのかも知れないな、という衝撃を与えてくれる本ですね。
6.自己組織化と進化の論理―宇宙を貫く複雑系の法則
生物の進化は「自然淘汰」と「突然変異」の2つによって起こるとされていますが、ではこの2つだけで進化を全て説明できるのか?答えは否である、というのがこの本の主張です。
著者は自然淘汰と突然変異以外に「自己組織化」という概念を打ち立てます。
それにしても最高にワクワクする一冊です。複雑系がこれまでの知のあり方を根本的に変えているんだなぁ。というのが実感できる一冊。
ちなみに「自己組織化」という概念は他の複雑系の本なんかにも良く出てくるので、別の本も読んでいると理解しやすいかも知れません。
・まとめ
以上、おすすめの複雑系の本を紹介させていただきました!
やはりいろいろ紹介していて思ったのは、どの本も面白いですね。この記事だけで伝えきれない部分があると思うので、ぜひなにか一冊、気になったものを読んでいただきたいな-と思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!何かしらこの記事がお役に立てれば幸いです。
日本を代表する哲学者!野矢茂樹さんのおすすめ本6冊!
おはようございます!今回は私が日本人でもっとも尊敬する哲学者の一人、野矢茂樹さんのおすすめ本を紹介して行きたいと思います。
野矢さんは哲学者なのですが、論理学や言語学でも入門書を始めとして本を出しています。これが本当にわかりやすい。
特に論理学の本は全ての学生や社会人の方にも読んでいただきたいと思います。物事を「正確に考える」ために必要な内容が詰まっています。
それでは早速、野矢さんのおすすめ本を紹介して行きたいと思います!
目次
1.入門!論理学
野矢さんが書いた論理学の入門書。正直、全ての論理学の入門書の中でも突出して素晴らしいと思います。
論理学の入門書としてば「論理的に話す」とか「ロジカルシンキングを身に付ける!」みたいな触れ込みの本が多いですが、野矢さんの本はそれらのハウツー本とは一線を画します。
論理学の本質、論理学とはなんぞやという事を徹底的に掘り下げ、時には哲学的な問いまで投げかけてくる。興味がどんどん湧いてきて論理学をもっと知りたくなる、そんな本です。
何でもかんでも変に「論理的」であることを掲げる人間にならないためにも、是非とも読んでいただきたい一冊です。
2.論理トレーニング101題
まず「入門!論理学」を読んだ後に「論理とはなんぞや」という事をある程度理解してから使ってほしいのがこの一冊。
「論理性」も数学と同じで、ひたすら練習問題を解かねば身につきません。という事で本著はいろんな例文が出てきて「論理的にどうか」を考えながら解く、そんな本です。
何より中身が濃すぎます。一つ一つの問題にちゃんと「ここを気をつけてほしい」というポイントがあります。この本を繰り返し解くことで超一流の論理性が身につきますね。
3.哲学の謎
いよいよ野矢さんの本分の哲学ですが、この入門書もめちゃくちゃ最高です。
「世界とは?」「時間とは?」「意識とは?」という、誰もが一度も考えた事がある内容をテーマに、哲学的な話がわかりやすく展開されていきます。
「哲学」と言えば堅苦しいイメージがあると思いますが、こちらは最高に好奇心を掻き立てられる一冊です。是非とも読んでいただきたい。
4.言語学の教室
言語学者の西村さんに野矢さんが質問していく対談形式の一冊。
言語学もとても堅苦しい学問というイメージがあるかも知れませんが、めちゃくちゃ面白いです。特に認知言語学という言語学でも面白い分野にフォーカスしているので、これは読んでほしいなと。
質問形式の対談と言っても、野矢さんも言語学には相当詳しいので、確信を突く質問が飛び出します。言語学を体系的に解説する本ではないですが、読み終わったときには基本的な概念が身についている本です。
5.無限論の教室
こちらも誰もが一度は考えた事があるであろう「無限」をテーマにした本です。
正直、途中からかなり難解になって来ます!私も完璧に理解できてるかどうか怪しいです。
しかし「無限」に関してこういう考え方があるんだ、というのは凄く勉強になります。一人で考えてもどうにもわからない「無限」ですが、一つのアプローチの仕方を知る事ができます。
6.ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考を読む』
これはウィトゲンシュタインという分析哲学の超大物がいるのですが、そのウィトゲンシュタインの代表作である「論理哲学論考」を野矢さんがわかりやすく解説した本です。
「論考」は哲学の中でも非常に重要で、しかし哲学書の中でもかなり難解でわかりにくい本です。それをここまでわかりやすくできるのは凄いなと。
哲学に興味がある方はもちろん、ない方もぜひ分析哲学に触れてみてほしいので、すごくおすすめな一冊ですね。
・まとめ
以上、野矢茂樹さんのおすすめの本を紹介させていただきました!
野矢さんは哲学の中でも特に分析哲学という分野の学者さんなんですね。
そしてその分析哲学は、記号論理学や言語学の要素も強いので、野矢さんは多岐に渡って入門書を書かれているのだと思います。
どの分野もとても面白いですし、何より人間が思索や主張をする上で必要なツールがいっぱいです。そういった分野にアクセスするためにも、野矢さんの書いた本の数々は非常におすすめなんですね。
ぜひとも皆さんも気になった一冊から読み始めていただければなと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!
政治を本当に勉強したい方へ、政治学の絶対読むべき必読書10冊!
おはようございます。今回は政治を勉強したい方へ、政治学のおすすめ本を紹介して行きたいと思います。
やはり政治も闇雲に知識を集めているだけではなく、一つ筋の通った思想史などを身に付けるだけで全然違いますからね、
構成としては政治学の入門書など、政治学全体を俯瞰してわかりやすく書かれた本が5冊、そして偉人の教えに直接触れられる古典が5冊というような構成の記事にしました。
どれも政治学を学ぶ上で「これは読んでほしいなぁ」という10冊を厳選させていただきました。
目次
1.政治学
政治学のめちゃくちゃおすすめな入門書。有名な先生方が何人も集まって書いた共著で、内容に信頼性があります。
基本的な民主主義の基礎から、グローバル化や現在の民主主義など、広い範囲をカバーしています。
何より内容がわかりやすいですし、レイアウトも写真などが載っていて見やすいです。
とにかく入門書の中でもこれは素晴らしいなと。ぜひ最初に読んでいただきたい一冊です。
2.政治学 補訂版
こちらも政治学の超おすすめな教科書。
政治といえばどうしても行政や立法などの統治機構の話になってしまいますが、こちらは主権者である個人や、公共性などと「政治」との関係を整理した一冊。
とかくと難しそうに見えますが、ともかく政治が人や社会とどういった関係にあるのか、というのが整理されていてわかりやすいです。
政治の議論を見ててもこの辺が整理されていない煩雑な議論がされている事がよくあるので、ぜひともこれも読んでいただきたいなと。
3.教養としての政治学入門
「教養としての」政治学入門とあるように、誰かと政治の話題になった時に会話できるようになる、そんな一冊です。
扱っているテーマが非常に現代で議論になっているようなものが多いです。なぜ日本では自民一強なのか、アメリカの政治では何が起きているのか、生活保護や公務員制度の是非など。
この辺についてパッと意見を言えるようになると「コイツわかっているな」と一目置かれるようなテーマが揃っています。
4.日本の統治構造 飯尾潤
こちらは政治学一般や世界の政治よりも、とにかく日本の政治にフォーカスした一冊。
日本政治の統治機構の変遷、そしてその問題点などを指摘しています。
とにかく日本の政治に詳しい方におすすめです。タイトルなどで難しい印象を受けるかも知れませんが、読んでみると意外とわかります。しかし深いところまで掘り下げているので、非常に面白いです。
5.政治学の名著30 佐々木毅
政治学の名著30冊をピックアップし紹介した一冊。
何より本のチョイスがいいです。古典で「確かにこれは絶対読むべきだな」という名著が揃っています。
政治学の古典の本を読む前に、コチラを読んで予備知識をある程度身につけてほしい。そしたら古典の内容もある程度は理解しやすくなると思います。
6.国富論
超有名な古典の一冊。どちらかと言えば政治より経済の本というイメージですが、やはり政治と経済は切っても切れない関係なので、是非ともこれは読んでおいてほしい。
今だに市場とか、労働とか、貿易とか、経済の基本を理解するには必読の名著だと思います。
何より古典の本ですが「読みやすい」「面白い」といった感想が多い一冊なんですね。国富論といえば読んだ事がない人でも「内容は知っている」という方は多いと思いますが、やはり実際に読んでみるのとそうでないのとでは理解度が全然違ってくると思います。
7.プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
社会学では必読の名著。ピューリタニズムという営利の追求を敵視するプロテスタントの一派がいるのですが、そのピューリタニズムが思想的には真逆に思える近代資本主義の誕生に大きく寄与したという、それを究明した一冊です。
しかし扱っているテーマそのものよりも、社会に対する見方・分析が素晴らしい。政治を考える上でもこの手法は絶対に学んでおいてほしいなという事で、紹介させていただきました。
8.法の哲学
一言で「政治の古典」と言っても色々あって、どれを紹介すれば良いか悩ましいのですが、個人的に読んでて面白く、かつ役に立った一冊といえばこの「法の哲学」です。
「所有」「倫理」「市民社会」そして「国家」などのテーマを哲学的な切り口で論じています。
正直、抽象的で難解なのですが、すでに政治についてそれなりに知識があって、かつ悩んでいる人が読むと霧が晴れるかも知れない、そんな一冊です。これから政治を学ぶ人も、なにか行き詰まった時にこの本を思い出してほしいなと思います。
9.国家
こちらも非常に有名な一冊ですね。プラトンの他の著作と同じく、ソクラテスが出てきて対話形式で話が進んでいきます。
内容としてはプラトンの神学や認識論、存在論にも触れた大著となっているのですが、中でもこの本で有名なのは「哲人王」という考え方が説かれたところですね。
これはエリート主義の代名詞のような扱いを受け、今の民主主義的な世の中ではなかなか受け入れられない思想ですが、それでも実際にプラトンがどのような過程を経てこういう思想を打ち立てたのか。触れてみて考えてみるのは非常に有意義なことだと思います。
10.共産党宣言
政治の古典といえば「資本論」がよく挙げられますが、こちらの「共産党宣言」は資本論と並んで有名な共産主義の本で、ボリューム的にも資本論より読みやすい一冊です。
共産主義がどういった思想なのか、という要旨がわかります。かつての多くのインテリ層がなぜ引き込まれていったのか、考えると面白い。
「哲人王」と同じく、今では「ちょっとどうなの?」という思想かも知れませんが、それでも「どういったところが良かったのか」「今もし類似した意見が出てきた時にどう反応すればいいのか」というのを考えることが大事かなと思います。
・まとめ
以上、政治学のおすすめ本を紹介させていただきました!
まぁ政治学にもいろいろ読むべき本はありますし、「もっとこれを読むべき!」みたいな優先順位はあるかも知れませんが、少なくともここに挙げた10冊は必読と呼べる本ですし、比較的わかりやすく得るものも多いと思います。
まず気になったものから1冊2冊読んでいただけると幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました!